屋上。
フェンスに凭れ掛かりながら、物思いに耽る。
「うう…」
猛省。
ひたすら、昨日の、己の愚考に、猛省する私。
「これから先、高村に、どんな顔で会えばいいか、
分からないや…」
「今まで通りでいいんじゃないか?」
「うわっ!びっくりした!」
突然のイエティの登場に、驚く私。
前回、イエティは私が自宅に居る時に現れたのだし、
金曜日の夜、私の前に現れるのが常態化しているのだから、
ここで私が驚くのは別に驚くところではないというか
「てめぇぇぇぇぇえ!
おいこらイエティ!どのツラさげて出てきやがった!」
「まぁ聞け吉田ヘレネよ。
ツイスターゲームの件は、私が悪かった。
現代の流通経済、物流システムの合理性を鑑みるに
"あれ?●mazonでいいんじゃね?"
という結論に至ってだな。
SF作家アーサー・C・クラークが定義した
クラークの三法則の中にも
"充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない"
という言葉があって、まぁ要するに、魔法というものも
「うるせぇーイエティ!
●ikipediaとかの引用だけで、それっぽいこと言ってんじゃねぇぇぇえぇ!
お前なんか、お前なんか…
こうして、こうして、こうやって…」
っ、バカ、吉田、ちょっ、やめっ、
服、脱がすnっ、んんっ!
…きゃあ!だめ…ドレスは…
…ああぁぁあああああああ!」
**************************************
__
ヽ|・∀・|ノ
|__|
| |
Now Youkaning. ...
しばらくようかんマンでお待ちください。
**************************************
「ぜぇ…はぁ…はぁ…
…どう、イエティ?
人前で、ドレスを脱がされた気分は…
少しは、私の気持ちが分かってもらえたかしら…?」
「ああ、充分すぎるほどにな…」
「それで、話って?」
「うむ。
天界から、そなたらのことは観覧していた。
最終的に、高村カズヤの助力なしには
勝利を収められなかったとはいえ…
そなたの奮闘ぶり、見事であった。」
…ああっ、いや!
ええと今のは皮肉とかではなくでだな!
わかった!わかったから睨むな!
すまない今のは私が悪かった!
話の本題はここからだ!」
煮えくり返る腹の底、フツフツと沸き上がる
感情を抑えつつ、とりあえず、この堕天使
ダメ天使バカ天使の言葉を、黙して傾聴する。
2流ダメ無能の天使は続けた。
「そなたが高村カズヤとの今後の関係を
憂いているのは、私も充分に理解している。
そこで、だ。
休日に、高村カズヤを、交遊の場へと誘うのはどうだろう?」
「それって、デー…」
私の話を遮るようにして、微笑をたたえながらイエティは続ける。
「ここに、グリズリーランドへのチケットが2枚ある。
1デーパスポートだから、海と遊園地、どちらも一日中、楽しめる。
それと、これは、●mazonの代金だ。
お金を払わせてしまって、済まなかったな。」
「イエティ…
(*;Д;)
ごめん!
さっきは、ヒドいこと言ったりしたりして、ごめん!
あたし、イエティのこと、誤解してた。
イエティは、とっても優しい、良い人だね♪」
「私のことは気にするな。
高村カズヤも、きっと、そなたからの交遊の誘いを、
喜んで応じてくれるだろう。」
「そ、そそそ、そうだよねっ!
なんてったって、高村は、あたしのこと好きだもんねっ!」
「ふふっ…だが、急いてはならぬぞ。
殿方の気持ちを察した上で、あえて焦らすというのも、
淑女の嗜みというものだ。」
「や、やだなぁ、そんなー!
まるであたしが悪女みたいじゃんか!」
「それでは邪魔者は去るとしよう。
吉田ヘレネよ…
デート、頑張るが良い。」
「デー、デートだなんてそんなぁ!やだーもー!
ヾ(▽⌒*)キャハハハo(__)ノ彡_☆パンパン!!
イエティは、冗談が上手いんだからぁー!
。゚(゚^ヮ^゚)゜。アハハハハハ」
「くれぐれも上着を脱いではならぬぞ、吉田ヘレネよ。
くっくっく…」
「てめーイエティこらぁ!!!
次その話題だしたら、てめーん家のトイレに
浄化槽サンポールを瓶ごとぶちまけて
やたらとさわやかな香りで包むぞコラぁ!!!」
「吉田ヘレネよ。
浄化槽サンポールはプラスチックの容器なのだが…」
「いいから!てめぇ!イエティ!
と っ と と 去 ね ぇ ー !!!」
…というわけで。
私は、高村をグリズリーランドへ誘うことにした。
この時は、それが悪夢の始まりだとも知らずに。